他から借り入れできない多重債務者や主婦を狙った
闇金の被害は増える一方です。
法律では許されない高金利で貸付、
支払えなくなったら悪質な取立てで債務者を追い込む。
最近は、闇金だとわからないように営業しているので
「今自分は闇金からお金を借りている」
という自覚がない人も少なくありません。
その一人が私です。
もし今、闇金からお金を借りようとしている、
すでに借りて被害に遭っている人の解決策の参考になれば
この経験も報われます。
この記事の内容
闇金は突然やってきた
元旦那と離婚して半年経った頃、
娘と二人で住むマンションに闇金が突然訪問。
インターホンに映る二人組は
- 見た目:どちらも太めでガラ悪い
- 装備:癖の強い柄シャツとAXのTシャツ
- 口元:ガムを噛んでいるぽい
- 武器:セカンドバックと契約書
どっからどう見てもカタギじゃない二人組。
装備も武器も怪しさ120%。
何をしでかすかわからない怖さを醸し出しています。
そこで私は、もちろん
居留守で応戦です。
もう、絶対に関わってはいけない人たちだと思ったので。
インターホンはしつこく3回なりましたが、
全て居留守。
カーテンの隙間から覗くと、
マンションを見上げる二人組の男たちが見えました。
「なんだろう…」
多少不安はありましたが、何かの間違いだと思って
特に気にも止めませんでした。
数時間後、娘を公園に連れて行くため外出。
エレベーターがマンション1階エントランスに着くと
オートロックの前に、例の二人組がまだいました。
知らないふりして
二人組の横をすり抜けようとした瞬間、
闇金たちと目が合う。
そして
「ねえ?まりこさんだよね?」
と声をかけられました。
知らないふりはできなかった
動揺した私はとっさに
「違います」
と返答。
しかし二人組は「いや、絶対そうだよ、ほら」
と言って、私の免許証のコピーを目の前でチラつかせました。
逃げようと思ったけど、
左手に三輪車。
右手には6歳の娘の小さな手。
私を見る娘の目が怯えて不安げだったので
「何のご用でしょうか?
ここはマンションの入り口なので外にでましょう」
と言って、
マンションの駐車場の陰で話をすることになりました。
元旦那が諸悪の根源だった
何かと思えば、
元旦那の車のローンの支払いが滞っていて
連帯保証人である私に請求が回ってきたらしいのです。
その車のローンが、自社ローンと言って
信販会社を通さず独自の審査基準で分割を組む方法。
そこで私は初めて、カーローンの審査に通らない旦那の
連帯保証人になったことを思い出しました。
離婚する時に
元旦那がローンは責任を持って支払うと約束したのに…
自社ローンの車屋は悪質な業者だった
車のローン審査に通らない人を対象に、
自社で独自の審査基準を設け、
自社ローンで車を売る会社は多いです。
自社ローンを取り扱う会社全てが悪質ではなく、
私の元旦那が借りたところが、
たまたまそうだったわけで…。
その債権が闇金部門(勝手に想像)に渡ってしまったようです。
闇金:
「車屋から債権が回ってきて、
今後うちが取り立てるようになったからよろしく」
そこから地獄の取り立てが始まりました。
突然降りかかったのは85万の借金!しかもほぼ闇金
当時母子家庭で、娘との生活がやっとの中、
- 元金 35万に対して
- 延滞遅延損害金 50万
合計85万円の借金を背負うことになった私。
闇金:「支払いは一括しか受け付けない。
支払わなかったら1日ごとにどんどん金利が増えるよ」
その場で元旦那に連絡したら、
彼は慌てて支払うと言ってきました。
しかし闇金は、仕事をして収入がある私から請求した方が
早く回収できると思ったらしく
闇金:「借金は全て奥さんに取り立てるから
オメーは支払わなくていいよ」
と元旦那に伝えます。
どう考えても法律で定められた金利を超えているこの数字。
今ならそれがわかりますが、当時の私は、
無知で恐怖の方が優っていたため、
闇金に
「この数字おかしくない?」
という度胸はありませんでした。
「ああ、最悪…」
それから始まった執拗な嫌がらせ
その日から闇金の取り立てと嫌がらせが始まりました。
- 毎日家に来る
- 通勤・保育園の送り迎え時に待ち伏せされる
- 公園でも声をかけられ請求される
- 1日10通から20通の請求書がポストに入る
(消印なしなので直接ポスト投函してる) - 借りた時の契約書や身分証明書のコピーが
マンション中にばらまかれる - オートロックを突破して家のドアに請求書を挟んでいく
- 電話は多い時、5分から10分おき
- ドアをドンドンとされる
文字にすると大したことないように思えますが、
精神的ダメージは想像を超えました。
昼夜問わず、ずっと見られていて、
いつ何をされるかわからない。
周りの人全てが闇金の仲間なんじゃないかと
街を歩くのも怖くなりました。
娘も怯え、保育園に行けなくなり
仕事以外は
二人で家に引きこもる生活でした。
実際に言われた闇金の脅し文句
嫌がらせと同時に闇金から言われた言葉は
- あの公園に子供とよくいるよね?
気をつけたほうがいいんじゃない? - 会社の人は知ってんのかなー
- 社長に話して立て替えてもらえ
- 今日の夜ご飯メニューは体に良くない
- 実家に行く
- 母親に心配かけてもいいのか?
- 誰かから借りてこい
- 一括返済じゃないと受け付けない
- 何なら稼げる場所を紹介する
- っていうか、すぐに働いて金作って来い
- 娘かわいいね
- 今すぐ新地にいくか?
- 大事になったら家を追い出されるかも
これはどう考えても犯罪ですよね。
だけど、怖くて言い返せない。
なんとか打開策がないかとネットで検索すると
闇金の行為や法外な金利での貸付は
「貸金業法違反」だから屈しなくていい
と書いていました。
素人が下手に動くと問題が悪化するとわかった
これは法を犯しているし、
その辺りを主張すれば闇金もひるむんじゃないかと思った私は、
電話で
- あなたたちの行為も貸付も違法です。
- 遅延損害金は支払いません。
- これ以上続けるなら警察に行きます。
とはっきり伝えました。
すると闇金は
ひるむどころか、やけに冷静な口調になり
- やった証拠がないから警察は動けない
- どうぞ、警察に行け
- 暴力を振るったわけでもない
- 借りた金を返さない方が悪い
- サインをしたのはお前
- 連帯保証人の怖さを知らなかったのか?
といってきました。
まったくもって効果なし。
闇金もそのあたりは熟知しているようで、
何のダメージも与えられず
ただ、ただ、彼らを刺激した最悪の形になりました。
「連帯保証人というのがどういう責任を負うか
しっかりと考えずにサインとハンコを押したのは
奥さん、あなたですよ。
うちは貸したお金を返してもらえない
被害者なんだ。」
そう言われると、痛いところを突かれた気分になり
だんだんと「自分が悪い=支払う必要がある」
と思うようになってきたのです。
闇金は人の心理をうまく操る天才だった
嫌がらせはどんどんエスカレート。
誰にも相談できず
追い詰められ
精神崩壊寸前。
そんな時、闇金二人組のうち、
一人が急に優しくなりました。
「いやさ、まりこさんほんと連帯保証人はやばいよ。
俺もさ、昔騙されたことがあって気持ちがわかるから。」
みたいな感じで身の上話を始めてきました。
今考えると、明らかに怪しい展開ですが
それまでずっと脅され、責められていたので
急に普通の話ができるようになって、
私も心を開いてしまったのです。
人の心理を操ってることは
今ならわかるんですけどね。
当時は、いっぱいいっぱいで
思考が停止していた。
闇金の片方は厳しく取り立ててくる中、
もう片方の男は優しく日常会話をしてくる。
優しく話す方を味方だと思ってしまいました。
会話する中で
「もうさ、85万とかすぐ返せるよ。
ちょっとの期間、どこかで働けばすぐだって。
しかも、母子でこれからお金かかるでしょ?
その分も稼げるからさ。
知り合いの所だし悪いようにはしない」
ええ、何の仕事に誘われてるかは、
ご想像の通りです。
結局、借金をネタに、
どこかのお店で働かされるような展開に。
元旦那に連絡を取る
85万を働いて作ればこの地獄は終わる。
精神的に追い詰められ、
嫌がらせのない日々に戻りたくて、
危ない選択をしてしまいそうになったのですが、
そもそも元旦那のお金のだらしなさから
離婚に至ったため、
その上、別れてまで迷惑をかけられ
腹立たしくて悲しくて
元旦那へ電話して怒りをぶつけました。
すると、信じられない言葉が
返ってきたのです。
「え!俺、あれから少しずつだけど
金、あの業者に入れてるんやけど」
そう、元旦那は、元旦那で
闇金にお金を返済していたのです。
そんなこと知らない私は、パニック。
これはもう詐欺じゃないかと思い
ようやく警察に相談することにしました。
警察に相談した結果…何も変わらず
結果から言うと、
警察に相談しても「民事不介入」を理由に
何もしてもらえませんでした。
詳しく事情を話しましたが、
「警察には民事の紛争に介入すべきじゃないという原則があり、
まりこさんの場合は、民事不介入でこちらがいますぐ
何かできるわけではない。」
そして、よく聞くこのセリフ。
「基本何かあってからじゃないと動けません。」
それでも私は食い下がって
- オートロックを突破してくるのは不法侵入じゃないか?
- 脅しは脅迫罪じゃないのか?
- 何かあってからじゃ遅い
- マンションの監視カメラを確認してほしい
など、訴えましたが難しく、
見回りなどを強化してもらうことが精一杯。
お金を借りたわけじゃなく、
車の自社ローンだったため、
闇金という判断も出来かねるということでした。
そこで警察から、
「弁護士か司法書士に相談してみては?」
と、法律家に相談するよう勧められました。
解決のヒントをくれたことに感謝です。
司法書士に闇金問題を相談してみた

法律家に相談してどうなるんだろう。弁護士とか高そうだし
そんなお金ないよ…。
当時私は↑こう思っていましたが、
とにかく相談してみようと行動。
弁護士は相談料は初回五千円だったため、
相談無料の司法書士をネットで探して電話。
たまたますぐに対応してもらえ、
事の経緯を話しました。
司法書士:
「それはかなり悪質ですね。遅延損害金も法外です。
金利はどうでしたか?自社ローンということで車のやり取りもありますし…。
まりこさんの債権が闇金に渡った可能性も否定できません。
任意整理で、分割・遅延損害金のカットを交渉してみましょう。
相手が相手なので、時間がかかるかもしれませんが、
受任通知を出せば、
貸金業法により悪質業車はまりこさんに
直接催促や取り立てを行うことができなくなります。」
参考
<div class=”concept-box5″><p>受任通知とは?
受任通知は、債務者が借金の整理を弁護士または司法書士に委託した連絡です。
受任通知の目的は主に3つ
- 債務者に直接、取り立て・催促をしないよう警告
- 全ての交渉は司法書士が行う
- 取引履歴を開示
法律では、受任通知を受け取った後、業者が借金している人に直接連絡をすることが禁止されています。</p></div>
司法書士:
「おそらく、すぐに受任通知を出せば執拗な嫌がらせや取り立てはストップするはずです」
まりこ:
「先生、本当ですか?是非お願いしたいです。
しかし、任意整理はいくらかかるんですか?
私は5年前自己破産をしていてその時40万円かかりました。
お恥ずかしいですが今そんなお金を出せる経済状態にありません」
司法書士:
「任意整理の費用は、事務手数料も含めて1件4万円です。
それから、分割払いも可能です。」
まりこ:
「4万円ですか?追加費用とかもかからず?
ぜひいますぐお願いします。」
↑実際の電話での会話はもう少し長く話しましたが、
丁寧に説明してもらい、まさかこんなに早く闇金の取り立てから
解放されるなんて驚きました。
すぐに司法書士事務所に出向き契約
電話である程度の話がまとまり
すぐに司法書士事務所へ行きました。
持ち物は、
- 業者から毎日届く手紙全部
- 印鑑
- 収入がわかるもの
- 現在利用している通帳
などです。
手続きは驚くほど簡単。
改めて現状を話し、必要書類に記入。
任意整理費用は
月5000円の分割支払いでまとまりました。
司法書士:
「まりこさん、早速今から文書と電話で受任通知をし出します。
今日から電話も止まるでしょう。
また、すべての連絡は私が取りますので万が一かかってきても出なくていいです。
娘さんと平穏な日々を過ごせるよう早急に交渉します」
私は、この言葉を聞いて泣いてしまいました。
恐怖の日々から解放される。
当時の私には、4万円と言う金額は高額でしたが、
分割で月5000円ならなんとか払っていける範囲でした。
初回の相談料は無料、
任意整理の費用も分割にしてもらえて
本当にありがたかったです。
委任から即日で業者からの連絡が止まった
司法書士のいうとおり、受任通知を出してから
闇金からの連絡がピタッと止まりました。
もちろん嫌がらせもです。
昨日まで見ていた景色とは違う。明るくてポジティブな気持ちがいっぱい沸いてきました。
元旦那も同じ司法書士に任意整理を依頼
私は元旦那の連帯保証人でした。
私だけ任意整理しても、結局元旦那に請求がいきます。
というわけで
元旦那も任意整理してもらうことになりました。
費用は同じく4万円です。
元旦那は他県にいたため、
郵送とメールで書類のやり取りをしていました。
1週間くらいして交渉の結果連絡があった
闇金の問題を委任してから2週間後、
司法書士から連絡がありました。
まず、業者から提出された取引履歴を元に
利息制限法に基づいて再計算した結果、
借金は28万円になりました。
遅延損害金は法外なのでカット。
この借金が、闇金から金銭として借りたものなら
全ての支払いは無効になったそうですが、
私の場合は車の自社ローン。
なので、元金の支払いは発生します。
月3万円づつ元旦那が払うことで合意しました。
借金の悩みは弁護士・司法書士に相談して!
どんな借金にも解決方法が必ずあります。
私は自己破産・悪質業者・任意整理の経験を通じて、
この国には借金問題を解決するため、
法律によるサポートがあることを知りました。
その手続きはとても複雑で
- 今の自分の状況には、
どんな債務整理方法が最適か? - 闇金の催促から解放されたい
- 自己破産せずに借金を整理する方法は?
等は、素人では判断と交渉ができません。
借金問題を解決したい場合は、
専門家に相談する方が確実です。
特に、闇金問題は自分で解決しようと思ったら
私のように状況が悪化する恐れがあります。
闇金問題は闇金に強い司法書士に依頼すべき
法律事務所であれば闇金問題に対応しているかといえば
そうではありません。
闇金問題はトラブルが多くとても手がかかるため、
受け付けない法律事務所も多いのです。
散々相談した挙句、
「うちは闇金問題、受けていません」
と言われたら、心折れてしまいますよね。
ただでさえ、闇金の嫌がらせで心が疲弊している状態です。
相談は必ず闇金問題を取り扱う事務所を選んでください。
もし住んでいる地域に闇金問題を扱う事務所が無い場合は、
闇金相談無料で受け付け、遠方でも依頼可能な事務所もあります。
平栁司法書士事務所で債務整理「料金・口コミまとめ」ヤミ金相談無料
最後に
闇金の被害から解決まで約2ヶ月。
苦しかったけど連帯保証人と闇金の怖さを知る良い勉強になったと今は思います。
結局、今回の出来事は、自分の無知が招いたこと。
連帯保証人を軽く考えず
もっと慎重になるべきだった。
最近のヤミ金はとても身近な場所に潜んでいて、
いつトラブルに巻き込まれるかわかりません。
ヤミ金以外から借りられないということは、
すでに自分のキャパを超えて
債務超過に陥っている状態です。
- どこからも借りられなくなった
- 返すあてもない
- 返済が苦しい
このような人は弁護士・司法書士に相談して
借金苦の生活から抜け出す道を見つけてください。
自分がもうダメだと思っている状況でも、
専門家から見れば「たいしたことない」が大半で
必ず解決方法を示してくれるはずです。